新年度も始まり、学校を卒業し働き出すのを機に、アパートを借りて意気揚々と一人暮らしを始められた方も多いかと思います。
しかし、数年も経つと転勤やライフスタイルの変化により、引越しを検討するはず。
引越しでアパートを出る際は、入った時の状態に戻す原状回復を行う必要があります。
ここでいう原状回復とは、お部屋を入居した状態に戻すことをいいます。
アパート退去時の原状回復についてご紹介していきます。
アパートの原状回復、大家さんと入居者どちらが負担するのか
ざっくりいうと、
・経年劣化や自然損耗については大家さん負担
・故意や過失によって生じたキズや汚れについては入居者負担
となります。
大家さんの負担
・ハウスクリーニング(入居者が通常の清掃を実施している場合)
・壁紙張替
日光による日焼け、冷蔵庫背面の黒ずみ、がびょうの穴など
・床張替
日光による日焼け、家具の設置によるカーペットの凹み、ワックスがけ
など
入居者の負担(故意・過失や通常使用しなかった場合)
・壁紙張替
クリーニングでもどうしようもないタバコのヤニ
下地ボードの張替えが必要なほどのくぎやネジの穴
結露を放置したことによるカビやシミ
・床
風雨を放置したことによる色落ち
引越しなどによるキズ
・水まわり
風呂、トイレ、洗面台などの水垢、カビ(通常清掃を怠ったことによるもの)
キッチン、換気扇の油汚れ
などがあります。
アパートの原状回復でかかる費用の相場とは
アパートを原状回復する場合は、原状回復する場所によって支払う金額が変わってきます。場所による原状回復の相場について紹介していきます。
まずは、フローリングの張り替えです。
フローリングは1畳あたり張り替える場合は、新しいもので3万円から6万円,既存の床の上から重ね張りできるのであれば2万円ほどになります。
アパートの場合は下の階の人に音が響かないようにするために、防音性の高いフローリング材を使用することもあり、その際は値段が少し高くなります。
畳を交換する場合は、「裏返し」、「表替え」、「新調」の3つの種類があり、それぞれの方法より値段が変わります。
「裏返し」ならば4000円ほど、「表替え」ならば5000円ほど、「新調」なら1万円ほどになります。
カーペットの張り替えを行う場合は、1畳あたり8000円から1万5000円ほどになります。
洗面所のクッションフロアを張り替える際は1畳あたり1万円から3万円ほどになります。
洗面台やトイレ本体を1度取り外してから施行するならば6万円ほどの費用がかかることになります。
天井クロスを張り替える場合は1㎡あたり1000円から1500円になります。
グレードが低いものであれば1㎡あたり700円から800円ほどで行うこともできます。
キッチンのシンクを交換する場合は全体で100万円ほどの費用が必要になってきます。
ミニキッチンであれば30万円から50万円ほどの金額で修繕できます。
お風呂であれば全体のリフォームで20万円から80万円ほどに金額ですが、タイルの補修などの部分的な修繕であれば3万円から10万円ほどになります。
原状回復の節約で知っておくべきこと
アパートを出るときに大家さんから原状回復の費用を請求されますが、原状回復費用は入居時に支払っている敷金から充当されます。原状回復費用が敷金を上回らなかった場合は、その分が返却されます。
節約するポイントですが、この記事で最初にお話した「大家さんの負担」分が請求されていないかを確認しましょう。
通常は退去時の立会でキズや汚れなどを一緒に確認すると思いますが、それまでに大家さん・入居者それぞれの負担箇所の知識を付けていくと必要のないところの工事費用の負担が避けられます。
また、入居時にキズや汚れの写真を撮っている場合は、それもその時に用意しましょう。
元々あったキズとして、この分も原状回復費用からは除外できます。
されないように入居したときの写真を撮影しておいて残しておくことも大事になります。
最後にもう一点ギリギリになってからも原状回復費を節約できるポイントとして、きれいに掃除するというところです。
お部屋の掃除を怠らず、お風呂のカビやキッチンの油汚れもない場合は、ハウスクリーニングも大家さん負担になります。
「どうせハウスクリーニング代とられるから」と汚い状態で退去すると、もちろんハウスクリーニング代はとられますが、場合によっては「通常より汚れが酷いため」などでクリーニング費用が高くなる可能性があります。
引越し作業などで忙しいかとは思いますが、最後きれいな状態で出ることで、原状回復費用を節約しましょう。