ビジネスとして、飲食店を経営している人も多くおられると思います。
飲食店を経営している際に、経営状態によって経営場所を移動することもあるかもしれません。
飲食店を退去する際は、退去のスケジュール、または借りている店舗の原状回復を行わなければなりません。
ただ、退去のスケジュールの立て方や原状回復の範囲などについて、よく分からないこともあるかもしれません。
それらの点について紹介していきます。
店舗退去の手順とは
店舗を退去する際に「明け渡し」という言葉を聞くこともあります。
これは、建物や空間などの占有権を貸主に返すことを意味します。
建物の占有権は、建物の持ち主ではなくて、所有する権利を持っている人に対して発生します。
つまり店舗として経営しているならば、貸主ではなくて、その経営している借主へと占有権が移ります。
ただ、明け渡しをする際は占有権が貸主に変わるため、経営している借主は建物内から自分の荷物や家具などをその建物から出す必要があります。
また、その建物の鍵などの建物に関するものも貸主に返す必要があります。
明け渡しまでに行う手順としては、まずは賃貸借契約書の確認を行います。
契約予告期間や明け渡し条件を確認するのですが、特に解約予告を見ておく必要があります。
これは、貸主や不動産会社に解約する日を通知することです。
解約や退去をする際は、この解約を通知しておくことが大事になります。
解約予告期間が6ヶ月の場合は、退去する6ヶ月前までに解約通知をする必要があります。
解約予告を行うことができれば、明け渡しについて手続きを行う必要があります。
原状回復の見積もりを取ってどれくらいの費用がかかるのか計算しておきます。
それから、明け渡しの準備を行います。
ほとんどのものは撤去しなければならなくなるので、廃棄物などは撤去するようにしていきます。
電気代や水道代、ガス代、リース契約の精算も行う必要があります。
原状回復の工事もしてもらいます。
原状回復の工事をしてもらうことができれば、明け渡しとして鍵の返却を行います。
これで、店舗の退去を完了することができます。
飲食店の原状回復の範囲とは
飲食店を原状回復する際は、大体がスケルトン状態に戻すことが大事になってきます。
スケルトン状態とは、床や壁、天井などの全ての仕上げ材が施行されていない下地が剥き出しの状態になります。
そのため、壁を作ったならば、壁を壊す必要もありますし、カーペットなどを貼ったならばそれを剥がすことが大事になります。
そのため、飲食店の場合は、自分が飲食の経営を行うために行ったものを全て取り除き、家具や電化製品なども全て処理する必要が出てきます。
ただ、原状回復をする場合、全てスケルトンにして返却しなければならないわけではありません。
貸主の意向によって原状回復の範囲は変わってきます。
もし、貸主が元々事務所として貸し出しを行っていたならば、原状回復の仕上げは事務所仕上げになります。
また、居抜き物件として貸主が承諾してくれたなら、店舗の内装や設備は大きく原状回復することはしなくても良く、壁や床などは残しておくこともできます。
原状回復する際は、この点を貸主とよく話し合いをすることで、原状回復の範囲に違いが出てきます。
また、原状回復をする際は大家、管理会社の指定する工事業者を利用することになります。
自分で工事業者を指定したくてもできないことが多いので、この点も考慮しておくことが大事になります。
飲食店の原状回復のスケジュールや原状回復の注意点
飲食店を退去する際にスケジュールの確認と原状回復をどれほど行なってもらえるかについて注意しておくことが大事になります。
まずは、原状回復の見積もりを取る点です。
原状回復をしてもらう際は、基本的に貸主や管理会社の指定する工事業者を使用する必要がありますが、他の工事業者に見積もりだけは取ってもらうようにしておくと良いです。
不要な工事や費用がしっかり相場として妥当なのか確認することができ、もし指定した業者の見積もりが高過ぎるならば、貸主に交渉して見ることができます。
また、この際に費用の確認をしておくことも大事になります。
明け渡しをした後に、追加工事費などを請求されることを防ぐためです。
また、飲食店であれば、当然厨房機器が揃っているはずです。
冷蔵庫やガスコンロなどを廃棄する際は、かなりの費用がかかってしまうので、飲食店専門の業者に買取をお願いすることもできます。
ただ、あまりにも経年劣化がひどい場合は、処分する必要があるので、買取ってもらうことができるのか査定だけでもしてもらうことが大事になります。
また、原状回復にかかる期間も確認しておくことが大事です。
場所によっては土日や深夜しか工事をさせてもらえないこともあり、そうなれば工事が期間内に終わらないこともあります。
このような点に注意しておくことが大事です。